菅平高原を観光地として更なる発展を



コウリンカ

1.行政と住民が一体になって真田町経済の振興を図る
  真田町の農業と観光の低迷を自治体レベルでどの様に打開できるのか考えてみました。
  議員研修で訪問した、四国の内子町では町並み保存運動によって、発展した観光を農業の振興にも生かしています。自然を生かして来訪者がくつろげるように河川を利用した親水公園も併せ持った施設をつくり「フレッシュパークからり」と名付けて農産物の直売所とレストランを経営していました。地元で採れた農産物を全て利用し、販売し、また、加工品の開発、研究も行っています。

  産直所は内子町の農家の3分の1が出資し参加しております。売り上げが1千万円を超える方もいました。評判の良い方は消費者と直接取引がすすみ、直売所に出荷ができなくなるという成果を上げております。
  本山町では、有機の里として農業を発展させていました。特徴は畜産と畑作の複合経営です。「れいほく畜産」という近隣の自治体が100%出資した会社が、畜産農家を支援し、農家には価格保障を行い、肉牛の最終仕上げを行い、加工販売を一手に引き受けていました。畜産で出た糞尿は堆肥として還元し、野菜作りに生かしています。野菜の食感は素晴らしく、生産が間に合わない状況でした。
  これらの自治体の優れていることは、住民の生活を支えるために、自治体が現状分析をきちんとして、将来を見据えながら住民の意見を取り入れて、住民と一緒になって農業と観光の振興を行っていることです。
2.観光客が引きつけられる魅力は花だった
  長野県の観光地利用統計では、観光客のトップは軽井沢の793万人、次いで善 光寺が757万人、3位が志賀高原の334万人、菅平高原は119万人で7位となってい ます。

花による観光地の入り込み状況

観光地 花の種類 トップシーズン 観光人口
高遠城址公園 コヒガン桜 4月 30万人
更埴市森地区 4月 18万人
戸隠高原 水芭蕉・リュウキンカ 4,5月 23万人
蓼科高原 新緑とレンゲツツジ 5,6月 22万人
蓼科高原 ニッコウキスゲ 7,8月 82万人
湯の丸高原 高山植物 6〜8月 毎月10万人超
※一般観光客の動向は花の季節に大きく動いているのが特徴です。 コオニユリ


3.菅平高原を花園に
  菅平高原は気象条件と植物の生態が湯の丸高原と同じで旅館組合が作成した菅平高原花の百選で紹介されている様に、その特徴を生かす条件があります。 この菅平高原に適した植生を最大限生かすことが、観光を発展させる原動力になると思います。4月から10月下旬まで、高原の花が入れ替わり立ち替わり咲いています。
  昔からこの菅平に住んでいる方のお話を聞きますと、昔は綺麗であったと一様に話されます。大松山はヤナギランで桃色になっていた。ダボスの丘はニッコウキスゲが一面に咲いていた。湿原ではカキツバタが咲いていて綺麗だったそうです。
  昔の風景を取り戻すことが観光振興にとって重要であると考えます。高原の花の復活に取り組むことです。高原の自生した花を復元することは、技術的に困難を伴いますが、花に親しんでいる方の知恵を借り、その人材を組織していくことが大切ではないかと思います。
  高原の花の復元を図り、環境美化と景観を良くする計画を策定していく、プロジェクトチームを組織すべきと思います。




ノリウツギ

4.観光のもう一つの柱「食」を大切に
  戸隠高原は4月5月に観光客の入り込みが多く、森林植物園を中心とした自然に触れ、水芭蕉、リュウキンカ、カタクリなどの花を観賞する他に、蕎麦を主 体にした観光誘致を図っていることが特徴です。この村は、通過型の観光で宿 泊が減少の一途をたどっているという悩みがあります。宿ではこの対策として、蕎麦会席料理を提供し誘客を進め成功し始めています。
  蕎麦は日本全国で食べられますが、「戸隠蕎麦」というブランドを作り上げ、観光客がこれを目的に集まっています。長野市の善光寺参りの後に、戸隠蕎麦 の会席料理を食べに来る、こういう動きになり始めています。
  おいしい農産物をつくり調理して提供することが、お客様に対する心をこめた接待となりますし、宿がアンテナショップになり得ると思います。
  真田町農業の振興策を根本から見直し対策をとることが大切であると考えます。良い品物をつくれば売れるという確信をもって事業を進めることであると 思います。また、菅平高原の発展には標高1300mの立地条件を生かした施策を総合的に検討し、事業展開をすすめることも大変重要であると考えます。


       町の答弁内容(観光商工課長)

1.町が取り組む姿勢
 菅平の観光は平成3年をピークに減少の一途をたどっています。サニアパーク 菅平の完成もあり、約2%の増加となったが、この冬は2000年問題等もあり約18. 9%の減少となった。自治体と住民が一体となって活動することが町の経済発展 につながると私ども認識をしています。
  農業と観光の一体的発展は長年の課題です。町長は宿で提供する食事は地元 で採れた食材を活用することを考えています。関係の皆さん方の知恵を借りな がら積極的に取り組んでいきたい。


2.花は集客の原動力
 菅平高原は美しい四季の変化を間近に感じることが出来、根子岳は花の百名 山で可憐な花を訪ねて毎年多くの登山者が訪れている状況です。しかし菅平の 観光客は月々の統計を見ますと、春、秋の観光客は大変少ない。
  町でも地元の花で地域を飾っていきたいという願いから、昨年では菅平小学校で筑波大学菅平高原実験センター所長さんの指導で、町にある在来種の保存学習会を開き、菅平に昔からある種を鉢に蒔いたり、色々な勉強・指導を受け てきました。
  県下の観光地を見ても、春季、秋季の観光は溢れんばかりの花や植物が人を引き付けており集客の原動力となっています。菅平も花を点から線・面へ、少量から大量、一時期から通年へと、花をいっぱいにして、菅平観光の規模を拡大していきたい。
  花の大量化は労力・時間・財源ともに多くの手間暇がかかります。地元の皆さんと町が一体となって研究し、花の町にしていきたい。プロジェクトチームを結成して、総合的な施策を検討していく必要があると考えています。



カタクリ